① はじめに|僕が「配当利回り」にワクワクして失敗した話
僕が株式投資という世界に興味を持ち始めたのは、「チャート分析」でも「PER」でもなく、「配当利回り〇%!」という文字を目にした瞬間でした。
当時の僕はまだ投資初心者で、「お金を預けておくだけで毎年お金がもらえるって、まるで“自動でお小遣いが発生する装置”みたいじゃないか」と、かなり浮かれていました。
特に「配当利回り5%」とか「7%」なんて数字を見ると、「銀行預金の数百倍じゃん」と純粋に感動すら覚えていました。
数字が大きければ大きいほど得な気がして、僕の中で「高利回り=良い株」という、とてもシンプルな公式ができあがっていました。
しかしその数ヶ月後、僕は“高配当をうたう銘柄に飛びつき、翌年に減配され、さらに株価も落ちてしまう”という苦い経験をします。利回りという数字に喜んで飛びついた結果、配当どころか損失だけが残りました。
そのとき初めて僕は「配当利回りとは何か?」を“ちゃんと理解する必要がある”と感じました。
そして今振り返れば、この失敗こそが「配当利回りという数字の本当の意味」に近づく最初の一歩だったんだと思います。
② なぜ初心者は「配当利回り」に惹かれるのか?|数字の魔力と“安心のイメージ”
僕を含め、投資初心者が真っ先に「配当利回り」という言葉に惹かれやすい理由はとてもシンプルです。
✅「数字が大きい=得な気がする」
✅「“毎年お金がもらえる”という安心感につながる」
✅「PERやPBRより“意味が想像しやすい”」
✅「投資経験がなくても、“利息”と似た感覚で理解できそうに感じる」
つまり、「配当利回り」という言葉は“初心者の理解しやすさ”と“お得に見える魅惑の数字”の両方を持っているんです。
でも、ここが最大の落とし穴です。
配当利回りは確かに魅力的な指標ですが、何も知らないまま「数字の大きさ」だけを基準に判断すると、僕のように“高利回り株に飛びついた結果、翌年に配当が減らされ、そのまま株価も下落して含み損”という悲劇を経験することになります。
だからこそ、「配当利回りとは何か?」を正しく理解することが、投資初心者の第一歩でもあるんです。
③ 配当利回りとは?|まずは“一言で”理解する
専門的な定義を覚える前に、僕は「配当利回りって何なのか」を“感覚的に理解すること”が大事だと思っています。
僕が今、初心者の友人に一言で説明するとしたら、こう言います👇
✅ 「株に投資したお金に対して、どれくらい配当金がもらえるのかを割合で表した数字」
もっと簡単に言うなら、
📍「1万円を預けて、1年後にいくら返ってくるの?」という感覚に近いです。
④ 正式な定義と計算式|でも公式を見る前に「使いどころ」を知る
配当利回りの正式な計算式はこちらです👇
配当利回り(%)= 1年間の配当金 ÷ 株価 × 100
📌 例:
株価1,000円、年間配当50円の株なら👇
✔ 50円 ÷ 1,000円 × 100 = 5%
つまり、「この株を1,000円で買えば、理論上は1年で5%の利益が配当としてもらえる」という意味になります。
この段階で、「なるほど!5%なら年間50円もらえるのか!」と初心者はワクワクし始めます(僕もそうでした…)。
⑤ “実績利回り”と“予想利回り”の違い|ここを知らないと失敗します
ここが初心者が最初につまずきやすいポイントです。
配当利回りには、大きく分けて以下の2種類があります👇
| 種類 | 計算の基準 | 使われる材料 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ✅ 実績配当利回り | 過去の配当実績 | 前期までの配当金 | 「過去」に基づいている |
| ✅ 予想配当利回り | これからの配当 | 企業の予想配当 | 「未来」に対する企業の意図 |
つまり、同じ利回り「5%」でも、
✔「過去の結果」なのか
✔「これからの見込み」なのか
で意味が大きく変わります。
特に注意したいのは👇
⚠ 予想利回りだけを見て飛びつくと、実際には減配される可能性もある
⚠ 過去の配当が安定していなければ、“たまたま高利回りだっただけ”のケースもある
こうした視点を持たないまま利回りだけを信じると、僕のように「高利回りに見えていた株が翌年に配当カット→株価も下落してダブルで損失」という失敗につながります。
⑥ 僕の失敗談|高利回り=お得だと思って飛びついた結果…
僕が初めて購入した高配当株は、配当利回りが「6%」を超えていました。当時の僕にとって、この数字はただの「宝の数字」でした。
「銀行預金の100倍以上じゃん!最高!」と思い、深く調べることなく購入。
しかし翌年──
📉 その企業は業績悪化により「減配」
📉 利回りは6%→3%以下に
📉 さらに投資家の期待が剥がれて株価も下落
📉「高配当どころかトータルで損」という結果に…
その時、僕はようやく思いました。
👉 「利回りは“過去の結果”であって、未来の保証ではない」
👉 「そもそも、なぜ高利回りだったのか?を考えるべきだった」
ここから僕は、“数字の大きさに飛びつくだけの自分”から少しずつ抜け出していきました。
⑦ 高利回りが“良い”とは限らない──配当利回りに隠れた4つのリスク
配当利回りが高い時、僕は「ラッキー」と思っていましたが、実は以下のようなパターンも存在します👇
| 状況 | 表面利回り | 実態 |
|---|---|---|
| ✅ 業績好調&累進配当 | 高い | 優良ケース |
| ⚠ 株価が下落した結果、見かけ上高利回り | 高い | 実は市場から見放されているケース |
| ⚠ 一時的に配当を高くして投資家を引き寄せる | 高い | 継続性に不安 |
| ⚠ 次年度に減配がほぼ確実 | 高い | 罠パターン |
つまり、「高利回り=良い株」ではないという事実に気づく必要があります。
⑧ 配当利回りを見るときの判断軸|僕はこう見る
今の僕は、こんな順番で配当利回りを見るようにしています👇
✅ ① 過去数年の配当推移(安定?右肩上がり?減配あり?)
✅ ② 配当政策(累進配当?業績連動?)
✅ ③ 配当性向(利益に対して無理な配当になっていないか)
✅ ④ PER・PBRを並べて見る(割安/人気離れを判断)
✅ ⑤ チャート&決算内容(継続性の確認)
特に「累進配当(減らさず、できれば増やすことを約束)」を掲げる企業は、利回りの“信頼度”が高くなります。
⑨ 配当利回りは“ゴール”ではなく、“スタート地点”にすぎない
投資を始めたばかりの僕は「配当利回りが高ければ勝ち」と思っていました。
でも今の僕は、利回りをこう捉えています👇
✅ 利回りは「最初の関心を持つきっかけ」になる数字
✅ 利回りが高い=魅力があるかもしれない“候補”に過ぎない
✅ “なぜこの利回りなのか?”を考えるきっかけに使うべきもの
つまり「利回りを見る→理由を探る→企業を見る→判断する」というプロセスに進むためのスタートラインなんです。
⑩ まとめ|僕が配当利回りから学んだこと
振り返ってみると、僕が配当利回りから学んだのは次の3つです👇
✅ 高い数字に飛びつくと失敗する
✅ 過去(実績)と未来(予想)を区別する必要がある
✅ “なぜ高いのか?続くのか?”を考えた瞬間から、投資家としての視点が芽生える
利回りは魅力的な指標だけど、それ以上に「その背景を探る」という姿勢が、僕にとって“投資をする人”になるための第一歩でした。
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